花粉症は人災、文明病。農林水産省など国にも責任があるのでは?
今の時期、辛い症状を訴えている人が多いです。
昔は、花粉症のニュースなんて聞かなかったんですけどね。
昔っていつのこと?
そうですねぇ、私が学生時代だった1980年代は、花粉症が話題になることはなかったと思います。2000年代になってから、よく聞くようになったように思います。
ではどうして花粉症の人が増えたのか。
そこを探れば、根本的な解決の糸口が見つかるはずです。
花粉症は人災?
林業の衰退で花粉の飛散が増えた
Q&Aサイトに次のような疑問を投稿された人がいました。
なぜ杉の木を切らないのですか?
重度の花粉症です。
日本全国、花粉症に苦しむ人がこんなにたくさんいるというのに、なぜ杉の木を切らないのでしょうか?
今週アタマくらいからかなり飛んでてキツイです。
この季節はお金もかかるし各症状で本当にイライラします!
恐らく費用の問題だと思いますが、国は採算を度外視して伐採に取り組むべきと考えます。
以下、有識者と思われる方から勉強になる回答があったので、抜粋して載せます。
第二次世界大戦の最中、または戦後に建物、船、紙、槙、炭 を作るため沢山の木が伐採されていきました。
そんなときに植え始めたのが【杉】です。
杉は真っ直ぐ育ち成長も早いので、このころから植林に杉というのが盛んに行われ始めました。
さらに、1970年頃に建築ブームとなり材木の相場が跳ね上がりました。
そのため、木(杉ではない)を切り相場を元に戻そうとして、またも伐採を始めたそうです。
そのため、国の山々は丸裸となり、さらに杉を植林するようになりました。
そうして、杉を沢山植えて、ちゃんと使っていたのは良いのですが、ここで、海外の安い材木が輸入して来て、人々は国産の高い杉より、海外の安い杉というようになりました。
そのため、この頃から杉は放置されつつあったのです。
国産の杉の値段が下がってしまい林業では生計が立てられなくなり、林業従事者が減り、杉が放置されるようになったということですね。
昔植えた杉は生長し続けているにもかかわらず、社会は放置するという・・・これでは花粉の量が増えるのは当たり前です。
木材自給率の推移
上図は林野庁のサイトから取ってきた資料ですが、平成28年の木材自給率はたったの 34.8% です。平成14年には18.8%だったので回復傾向ではありますが、それにしても低すぎますね。
林野庁のサイトによると、杉・檜の花粉を飛散させない優良品種(花粉症対策苗木)の開発をしているとのことですが、まずは伐採しないと始まらないのではないか、と思います。
だって花粉を飛ばしている本体が減るわけではないのだから・・・。
また、杉の雄花だけを壊死させる菌類を活用した花粉の飛散防止剤の開発も進んでいるそうです。
薬剤耐性が出たりしないかな、と気になったりします。
国の施策で伐採を強く進めて!
ということで、国が政策でもって伐採する方針を、強く打ち出して欲しいのです。
そして木材の輸入を減らし、伐採した木を採算度外視して安く提供すれば良いと思います。
確かに国が伐採するとしたら、税金を割り当てることになります。
しかし、これだけ花粉症で苦しむ人が増えているのですから、そこに税金を投入することに対しては理解を得やすいのではないか・・・と思います。
花粉症のために医療機関にかかっている費用が、税金として林業に転回するようにして欲しいのです。
花粉症は文明病?
さて、ここまで林業のことでいろいろ述べてきたのですが、本質的には、杉が増えすぎたことが花粉症の原因ではないと思っています。
同じ環境で生活していていも、花粉症が出る人と出ない人がいます。
また、四方を杉林で囲まれているような農村部の人には花粉症が出ず、杉林から遠く離れた都会の人の方が発症者がずっと多いのです。
そこには、花粉の他に理由があるはずです。
そして、それは文明的な生活習慣が進んだ結果と考えられるのです。
行き過ぎたキレイ好き
花粉症はアレルギー症で、体内に入ってきた花粉を体の IgE抗体 が外敵と判断して、それを排除しようと攻撃をしかけることで起こります。
IgE抗体は、元来体内の寄生虫や細菌類に対して反応する抗体なのですが、何を勘違いしたのか無害の花粉も同類と判断するのです。
「北海道の牧場や世界の牧場地帯に育った子供を調べてみると、牛や羊を育てている環境に育った子供達には、アレルギーがない」
「世界的にも、牛や羊を育てている環境に育った子供達には、アレルギーがない」
「清潔が過ぎると、免疫機能が攻撃すべき対象が無くなり、本来攻撃しなくて良いものを攻撃し始め、アレルギーが発症する。道端に、家畜の糞が落ちていた昔のような状態がいいのかも」
とのことです。
また、合成界面活性剤も問題です。
食器用洗剤、シャンプーやボディーソープ、洗濯洗剤、除菌用シート、ウェットティッシュなどなど、日用品のありとあらゆる商品に配合されています。
私は成分表示を見て、できるだけ含まれないものを探していますが、非常に難しく、妥協しています。
この合成界面活性剤は、肌を守っている良い菌を死滅させます。
その結果、皮膚バリア層の低下で、外からの細菌ナなども侵入しやすくなります。
アトピーの60%の原因にもなっているそうです。
我々は常在菌などの微生物と共存・共生し、持ちつ持たれつの関係で生きています。
微生物がいないと、私たちは生きていけないのです。
合成界面活性剤が氾濫するようになり、微生物が減少し、生活する上で支障をきたしているのは、間違いありません。
田舎に住む人の方が、部屋の清潔感についてもおおらかな感覚を持っています。
私の田舎では、除菌シートなど見たことありません。
昔、田舎に住んでいた祖父母の家に遊びに行ったとき、祖父が家の中に現れたゴキブリをティッシュペーパーで捕まえてゴミ箱にポイッと捨てたのを見たことがあります。
あれにはびっくりしましたが、その程度の不潔さが、田舎に住む祖父母にとっては普通のことだったのかもしれません。
食生活の変化(加工食品の増加)
食事の中に加工食品が多いことも、以前と異なる状況です。
社会情勢の変化で共働きが多くなり、主婦が作る料理もできるだけ簡単・手短かにできるものが好まれていると思われます。
スーパーにはレンジでチンするだけで出来上がりの食材がいっぱい並んでいます。
30年前はレンジなんて、まだそんなに普及していませんでした。
全国に広くファーストフード店も展開されています。
まさに、加工食品のオンパレードです。
加工食品に使われる油脂は、植物油などに含まれるオメガ6(リノール酸)が殆どです。
植物油とは紅花油・コーン油・ひまわり油など、俗に言うサラダ油ですね。
オメガ6は必須脂肪酸ではありますが、取り過ぎるとアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性炎症疾患を引き起こします。
その植物油は、菓子、パン、マヨネーズ、カップ麺、総菜など、あらゆる加工食品やファストフードに含まれているのです。
お年寄りや田舎の人に花粉症が少ないのは、この加工食品を取る量と関係していると思います。いてもほんの一握りではないでしょうか?
都市化が進んだ
飛散した花粉は、田舎では土に吸収されるのですが、都会はコンクリートだらけで、一度落ちた花粉がふたたび空中に舞ってしまいます。
さらに、都会の交通量の多さが、花粉症に関係しているようなのです。
古い調査ですが、1985年に日光市で興味深い調査が行われていました。
住民3133人を任意に選び、居住地域について以下に分類
① 自動車交通量が多く渋滞の激しい地区
② 杉は多いが交通量は少ない地区
③ その他の地区
これらの人々に花粉症の症状が出るかをアンケート調査した結果、最も多かったのは①だったとのことです。
もし、花粉症の原因が花粉だけであれば ② が最も多くなるはずですが、逆の結果となりました。
車の排気ガスなど、空気中の化学物質と花粉が何らかの反応を起こし、花粉症の発症に影響していると考えられます。
おわりに
社会環境は個人の力ではどうしようもないこともあります。
まずは、林業復活に注力して欲しいです。
その上で、家庭ではできるだけ合成洗剤などを使わないようにすべきです。
ちなみに私は食器洗いも入浴も、おかしな成分が入っていない一つの液体石けんだけを使っています。洗濯は重曹だけで洗っています。
また、薬は症状を抑えるだけで治すわけではないので対症療法に過ぎず、別の病気の原因にもなり得ます。
根本解決のために、参考までに以下記事のリンクを張っておきます。