自力で健康を目指す天邪鬼

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健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

花粉症は沖縄に住めば治る・・・それ、根本対策になってないですよ~

 沖縄で生まれ育った私は、全国ニュースで花粉症が取り上げられても関心を持つことはありませんでした。東京近辺に住んでいた当初も症状など出ることなく、花粉症とは無縁と思っていたのですが、10年くらい経つと、春に鼻がむずむずすることが多くなりました。

 今は沖縄に戻って生活していますが、花粉症の症状は出なくなりました。また、花粉症にお悩みの方が、花粉が飛ぶシーズンだけ沖縄で過ごすということを見聞きすることがあります。

 沖縄は小さな島であり森林面積も非常に小さく、花粉が飛ぶシーズンであってもその量は他県とは比較にならないほど少ないでしょう。すぐ近くに海があり、生活圏に及ぼす影響も微々たるものでしょう。ですので、花粉症で苦しむ人が沖縄で一時しのぎをする気持ちは分かります。

 ただ、サラリーマンなど多くの人には、そのようなライフスタイルは無理でしょう。仕事をせずとも暮らせるほどの裕福な人、定年退職した人、職種が場所を選ばない人、その程度でしょう。多くの人は、今住んでいる場所で花粉症の対策をする必要があるわけです。

花粉症の原因は、免疫系の過剰反応

 今は林業に携わる人がだいぶ減っていると思われますが、山で作業する人はみな花粉症で苦しんでいるのでしょうか? もしそうであれば、とても仕事なんて出来ないと思います。山で飛んでいる花粉の量はとても多いはずです。マスクなどの対策はしているかもしれませんが、それは都会でも同じです。結局は、体外環境は同じであっても体内環境には個人差があるので、症状が出る人と出ない人がいるわけです。

 花粉症が出る仕組みはいろんなサイトで説明されていますが、ここでも簡単に書いておきますと、以下のような流れになります。

 花粉(抗原)が鼻や目から侵入する
  ↓
 免疫細胞であるリンパ球が花粉の侵入を認識する
  ↓
 リンパ球が IgE抗体* をつくる。
 * 肥満細胞が化学物質を放出するためのスイッチみたいなもの
  ↓
 IgE抗体が肥満細胞にくっつく。花粉の再侵入を待ち受ける状態となる。
  ↓
 再び花粉(抗原)が侵入すると肥満細胞の IgE抗体 にくっつくことでヒスタミン等の化学物質を放出する
  ↓
 放出された化学物質がくしゃみ・鼻水などの原因となる

 花粉は身体にとっては異物なので、それを排除するシステムが働くわけです。そして花粉症の人は、IgE抗体 が無駄にたくさん出来ています。

 しかし、だからといって花粉を悪者にするのは如何なものかと思います。花粉症は花粉が原因ではなく、一つの要因にすぎません。原因は、本来寛容であるはずの免疫系が過剰に反応し、「外敵だ!!自分を守らなくては!!」と自己防衛するところであって、外部の花粉ではなく自分自身の内部の免疫系に原因があるのです。ですから、沖縄に住んだところで免疫系が過剰反応する体質は何ら変わっていないので、いつまで経っても花粉症とお付き合いすることになります。

 免疫には外部に対して働くタイプと内部に対して働くタイプがあります。健康なときには、互いにバランスを取って働いているのですが、外部から花粉などのアレルゲンが侵入するとそれに対抗する免疫が高くなり、一方で内部に対して働く免疫は低くなります。
 
 唐突ですが、免疫の話を国家の防衛システムに例えてみます。

 北朝鮮が不穏な動きをしているときに出動するのは自衛隊であって、警察ではありません。自衛隊のレーダー網から巡視艇から人口衛星からすべて北朝鮮に向けられます。これが緊迫状態。有事の時にはそのような体制をとります。それは北朝鮮を敵国とみなすから日本の防衛を考えて自衛隊がそういう状態になります。

 一方で、警察は日本の中の秩序を維持するための組織です。怪しげな北朝鮮系のアジア人がいないかチェックしたり、空港の入国管理局がそれらしき人物に過敏に反応したりして、全部外向けの免疫システムが働きます。朝鮮人みたいな人が日本に入国しようとしても通常なら何も過敏に反応することはないですが、有事の場合は入国管理局がピリピリしているので、少しでも怪しい人がいたら「ちょっとこい」と止めて尋問し問題なければ入国を認めます。

 でも平時の時にはいちいちそんなことはしません。それがいわゆる外部に対して免疫が働くということで、国家のシステムで表現するとそういう風になります。

花粉症の対策方針

 花粉症やアレルギーの根本原因は免疫バランスの異常でした。免疫バランスをとるということは、アレルギーの人であれば、外部に対して働く免疫の臨戦態勢を緩和してやるのです。

 免疫は自律神経でコントロールされています。有事のときは交感神経優位、平時のときは副交感神経優位。そこで自律神経を調整していくというのが対処の一つとして挙げられます。

 交感神経優位のときは緊急状態だから、「もう大丈夫だぞ」と身体に言い聞かせてやれば良いです。「あぁそうなんか」ということで副交感神経が優位になってきます。そうであれば、心理的要因も関係してくるし、自律神経を調整するための身体にアプローチする方法もあります。これによりアレルギー反応を起こしにくい体質になり、医学的にいうと IgE抗体 が減っていくということになります。

  何が IgE抗体値 を高くしているかというと、有事の心身状態だから身体のシステムがそういう風に働いているからでしょう。その有事というのは、腸内環境であったりストレスであったり、その他いくつかの要因が考えられます。

 そういうのをクリアしていけば IgE抗体 は無駄に作られなくなるし、一旦作られたIgE抗体も減っていくでしょう。すなわちアレルギーにかかる免疫システムがサボり始める。だから緊迫状態でレーダーにちょっと何かが映ったら過剰反応するという状況が、平時になったように見向きもしなくなる。それがIgE抗体が下がるということです。

 医学常識では、アレルゲン(抗原)に対してアレルギー反応を起こさなくなることは無いと考えられています。一旦アレルギーを起こすと、身体が IgE抗体 を作っているので一生起こりますよと。ですが薬を使わずに花粉症やアトピーを改善した人の体験談を聞くと、その医学常識も疑わしいと思っています。

花粉症の具体的な対策

 外部への自律神経の過剰反応をおさえるためには、神経系をリラックスさせることです。自律神経は不随であり無意識領域です。


 まずはウォーキングすることです。一般的にウォーキングは、有酸素運動による脂肪燃焼させるということでダイエット目的でやっている人がほとんどだと思います。しかし、ウォーキングにはあまり知られていない重要な効能があるのです。

 それは、神経系のリラクゼーションです。

 淡々と一定速度で歩くことが身体全体に一定のリズムで刺激を与えることになり、これでリラックス効果を得られるのです。とすれば途中で止まったらあまり意味が無く、ノンストップで30分くらい行う必要があります。神経系の弛緩は、胃や腸などの消化器系の働きをよくするので、そういう意味でも花粉症・アレルギーの対策となります。

 またビタミンDが免疫反応を抑制すると言われていますが、だからといってビタミンDのサプリを摂るのは早計だし、それだけで花粉症が良くなるとは考えにくいです。サプリよりも、まずは日光に当たりましょうよ!

 せめて晴れの日には、少しの我慢をして寒くても肌を露出し日光を受けることで、体内にビタミンDができて、体温調整機能も鍛えられるでしょう。お日様の下でウォーキングすると、とても良いでしょうね! どうせお金をかけるなら、サプリよりもウォーキングシューズとかウェアなどに使うのは如何でしょうか。


 次にお勧めするのが、いつもお勧めしている温冷浴です。温冷浴は自律神経の振り子の振れ幅を大きくします。

okinawanaturop.hateblo.jp

 これにより健全な脳内ホルモンや自前のステロイドホルモンの分泌を促進するでしょう。身も心もストレスに強くなり、多少の刺激にも過剰に反応しなくなります。温冷浴の後は、リラックス状態が継続します。

 また、詳しいことは分かりませんが、木酢液アトピー性皮膚炎に効くようです。私はいつも入浴時に木酢液を入れて塩素除去・雑菌対策としています。アトピーも花粉症も基本の発症メカニズムは似たようなものですから、花粉症対策としても期待できるかもしれません。
 
 次に、外に向いている「無意識の意識」を内に向けるには瞑想が良いです。瞑想は神経系を弛緩させます。瞑想するときは一点集中することが大事です。良く言われるのは、呼吸に意識を向けることです。5秒くらいで息を吸って、25秒くらいかけて息を吐く・・・合計30秒。こんな感じで呼吸してそれに意識を向けてみて下さい。

 また、意識を向ける場所を呼吸以外でも構いません。私は身体の一部、例えば背骨の一点に意識を向けたりします。瞑想時間は30分くらいできれば良いですが、最初は難しいと思うので、5分程度から始めて徐々に伸ばして下さい。

おわりに

 ツイッターを見ていると、すでに症状が出ている人もいるようです。一時しのぎも構いませんが、身体反応を正常化することで、環境によらずに過ごせるようになると思います。免疫反応を正常化すべく、ぜひウォーキングをお試し下さい。

 ちなみに、音楽でリラックス効果を得るならロックがおすすめです。理由は・・・ウォーキングと同じです。考察してみて下さい。