自力で健康を目指す天邪鬼

自力で健康を目指す天邪鬼

健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

朝日を浴びながらのジョギング・ウォーキングで便秘改善を目指す

 以前の私は便通がとてもひどくて、便秘と下痢の繰り返しでした。たまに気絶しそうなほど苦しい腹痛が出ることもあり、辛い思いをしました。しかし、10年ほど前に副腎腫瘍がみつかったことをきっかけに取り組んだ食事療法が功を奏し、下痢や腹痛の症状はほとんどなくなりました。その経験から言えば、肉の多食をやめるだけでも便通は大いに改善すると思います。タンパク質は消化に時間がかかり、完全に消化できないと腐敗して悪臭便となり、ガスが腸から吸収されることで体全体に悪さをするでしょう。

便秘の原因は食事内容だけではない

 下痢は改善したのですが、便秘はまだまだってところです。便秘の対策としては食物繊維の摂取がよく取り上げられますが、それだけでは不完全でしょう。ネット記事を見ると、食物繊維には水溶性と不溶性があって、水溶性は便を柔らかくして排便しやすくする、不溶性は便のかさ(体積)を増して腸管を刺激し腸の動き(蠕動運動)を促進する・・・ということらしいです。ただし、不溶性食物繊維により便のかさが増えても、便が増えた状態で水分が吸収されて固まってしまうという逆効果に陥ることもあるそうです。

 食物繊維だけですと効果は限定的ではないでしょうか? 良質な食事で良好な腸内環境を保つことは大事だと思いますが、それとあわせて腸そのものの動きを良くする必要があると思います。

下剤や浣腸の長期使用は排便力の低下を招くかも

 私は以前コーヒーエネマをしていました。エネマとは浣腸のことです。 肛門にチューブを通してコーヒー液を1リットル流し込みます。15分ほど安静にしてその後排泄します。 仕組みは端折りますが、これにより肝臓の解毒などの働きが強化されるそうです。約半年間、毎日朝晩の2回、多いときは4回もやってました。特に体調の変化はありませんでしたが、排便が多くなるのでお腹が張ることはなく、逆にへこんでくれて体感もすっきりして悪い印象はありませんでした。

 しかし、コーヒーの消費量がかなり多いので費用がかさみます。エネマを始めて約半年後、ふと思い立って中断してみました。すると・・・完全に排便がストップ。何日たっても出ません。怖くなったのでエネマを一度実施して強制排便。その後は・・・出ません。またエネマしてしばらく様子をみる。こんなことを数回繰り返しましたが、少々意を決し、自然な排便があるまで待ちました。確か10日ほどで出ました。怖くなったので、それ以来エネマは止めました。腸が多少の刺激では反応が起こらないほど麻痺していたのでしょう。

 同じことは下剤にも言えるのではないでしょうか。服用することにより、薬の力で便意を起こして排便させるので、下剤に頼りすぎると身体が自力排便の感覚を忘れてしまいます。いずれは、下剤に依存しないとうまく排便できない、下剤がだんだん効かなくなってくる・・・そういう事態になる可能性が大きいです。

 使わざるは退化す・・・ここでもこの言葉が想起されます。

腸の動きをよくするには

 まずはジョギング、ウォーキングをお勧めします。これらの運動には、血流を上げるとか筋力UPとか、足つぼが刺激されるとか、いろいろな効能があるでしょうけど、もっと重要なことがあります。ウォーキングの真の効能は、神経系のリラクゼーション効果(無意識の緊張の緩和)です。一定間隔での身体への単調な刺激が、神経系が外部刺激に対して過敏に反応するような状態を避けることになり、内部の働きに専念することになります。結果として腸の動きがよくなり、便通も改善します。確かに私の場合もウォーキングをすると便通がよくなり、しばらく休むとまた悪くなったりします。

 ジョギングも単調なリズム運動といえるので、ウォーキングと同じく腸運動の改善が期待できます。また、飛び跳ねる動きが内臓を上下に揺らし腸を刺激します。ただし、長時間・長期間のジョギングは膝痛を招くことがあるので、しっかりと対策してくださいね。

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 ぜひ、朝日を浴びながらウォーキング・ジョギングをしましょう。体の中のセロトニンの90%は胃腸に存在し、これが分泌されることで腸の運動を促進します。そのセロトニンを分泌するのはセロトニン神経で、日光を浴びることとリズミカルな運動を行うことで活性化されます。体内時計が調整されるだけでなく、便秘改善にも期待できるのです。

 なお、運動の前後・運動中に水分補給するのが良いと思います。特に冬の季節は要注意です。夏は汗をかくのであまり意識せずに水分をとるのですが、冬は寒いこともあって水を飲む量が減ると思います。しかし、乾燥していると腸からの水分吸収が進み、便が硬くなることで便秘につながる可能性があります。風邪対策にもなるので、忘れずにお水を飲みましょう。

 横隔膜を大きく動かす呼吸法も良いです。短息呼吸法はハー、ハー、ハー、と速射砲のように息を断続的に吐き出す呼吸法であり、かなり苦しい方法となりますが、横隔膜が上下に活発に動くことでジョギングのように腸を刺激することになります。お腹が膨らむ、へこむという動きがちゃんと出るようにダイナミックに呼吸して下さいね。

おわりに

 どうしても便が出ずお腹が張って困っているときは、下剤や浣腸に頼るのもアリだと思います。一度の使用で排便力が低下する、ということはないでしょう。寧ろ、放置することにより便秘が継続することの方が問題です。しかしそれらは一時しのぎの対症療法なので、運動による根本的な解決を目指してください。