自力で健康を目指す天邪鬼

自力で健康を目指す天邪鬼

健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

大掃除で蛍光灯を交換するときに注意すべきこと

あごが突き出た姿勢

 頭より上部の何かを見るとき、だいたいあごが上がっています。猫背の人は、あごが突き出た姿勢になっています。四つん這いになっているとき、あごが突き出ています。パソコンのモニターを見るとき、あごが突き出ています。床に胡坐(あぐら)をかいて座っているとき、あごが突き出ていることが多いです。

「それがどうしたの?」

 あごが上がったり突き出た姿勢は、首に強い負荷をかけているんですよ~ だけどそう言われたところで、別段気にとめない人がほとんどでしょう。しかし、首は体と脳の神経・血管をつなぐ重要な器官。そこに負荷をかけることが、時によっては命にかかわることすらあるのです!

血流が滞る

 美容室などで髪を洗うときって、顔を天井に向けて仰向けの姿勢になります。より洗いやすくするために、髪が引っ張られる形であごが突き出ます。すると、首の中を走る血管がくの字のようになります。血管がつぶれるので、血液が通りにくくなり血流が悪くなります。その状態がしばらく続くと血の塊(血栓)ができることがあります。洗髪が終わって頭を上げると、つぶれていた血管が元に戻って血流も回復しますが、もし血栓ができていた場合、それが脳の中に進んで毛細血管にて詰まってしまいます。これが目眩や頭痛、吐き気を招き、酷いときは脳卒中になることもあるとのこと。これを美容室脳卒中症候群と呼んでいるそうです。

脳脊髄液が滞る

 脳脊髄液は、脳と脊髄、そしてそれらを包んでいる膜の間を満たしている体液です。脳で産生された脳脊髄液は、脳から脊髄にかけて循環します。

 あごが突き出ると、後頭部の骨(後頭骨)がその膜を押しつけてしまい、脳脊髄液が頭から背骨方向に出ていけなくなります。すると脳内の脳脊髄液の水圧(脳圧)が高まり、これが頭痛を引きを超すと考えられます。

神経が圧迫される

 普段から首に負荷をかけるような姿勢でいると、首の骨(頸椎)どうしの間にある軟骨(椎間板)が減ってきます。すると頸椎の接合面が広がり、トゲのように出っ張ります。この骨の出っ張りが、首の骨の真ん中を走っている脊髄や、周りにある神経を圧迫します。これが、軽い症状では肩こりや腕の痛み、重い症状だと首から下の麻痺を引き起こすことがあるそうです。こうなると車いす生活となります。この骨の出っ張りは数年かけて進行し自覚症状もないそうなので、普段の姿勢がとても大切ということになります。

対策

 デスクワークをしているときは、1時間に1回、できれば30分に1回は立ち上がって、腕を後ろに引いて肩甲骨を寄せるような運動をしましょう。姿勢がよくなります。また、セダンタリー・デス・シンドロームと言って、座りがちなことが死につながることを避けることにもつながります。パソコンを見るときは遠目で見るようにしましょう。スマホやWEBアプリなどを使って、30分ごとにチャイムを鳴らしてください。

 床や畳に座るときは、あぐらよりもひざまずきが良いでしょう。あぐらの場合は、低い台座にお尻を乗せると、背筋が伸びてあごを引く形が取りやすくなります。体育座りは止めて下さいね。また、私は経験ありませんが、姿勢をよくする座椅子を使うのも良いかもしれません。

 美容室などで洗髪中に気分が悪くなったら、美容師さんに声かけして一休みさせてもらいましょう。

 車を運転中は、前屈みにならないように注意してください。少し腕を伸ばすくらいが良いでしょう。ヘッドレストに頭をのせるのは止めましょう。

おわりに

 年末の大掃除で蛍光灯の交換をするかもしれません。蛍光灯を交換しようとしてなかなか外れずに手こずっていると、気分が悪くなることがあります。それは首に強い負担がかかっているからです。また、お掃除をするときって、前屈みになっていることが多いです。休憩しながら作業してくださいね。