自力で健康を目指す天邪鬼

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健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

鼻水や痰を出した時に、いっしょに黄緑の粒が出てきた…臭い玉(膿栓)では!?

この時期、花粉症に苦しむ人が多いですが、痰や鼻水をかんで出すと、たまに黄緑色の粒が混じることがあるそうです。

くしゃみや咳をしたときにも、飛び出てくることがあるみたい。

鼻糞に似ているけど、鼻糞が口から出るって変ですよね。一体なんなのでしょうか?

粒の正体は、扁桃腺にできる膿栓!

もしその粒を潰して強烈に臭ければ、それは膿栓(のうせん)でしょう。

膿栓は、口を大きく開いた時に奥に見える(口蓋)扁桃、俗に言う扁桃腺にできるものです。

口蓋扁桃は喉の奥の両サイドにあり、大きく口を開ければ鏡で見ることができる・・・とのことだったので、私もこの粒があるかどうか確認しようとしたところ、なんと扁桃腺らしきものが見当たらないという、衝撃的な結果となりました(笑)

昔、副鼻腔炎の手術をしたことがあるので、その時に取られたのかもしれません。

大人になったら扁桃が荒れ果てたり二次疾患の原因になったりするので、手術で取ることもあるそうです。

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(口蓋)扁桃と膿栓

膿栓の画像は簡単に探せますが、気持ち悪いのでここには載せません(笑)

膿栓は、臭い玉とかにおい玉とも呼ばれます。

とっても臭くて「ドブのようなにおい」「生臭い」「下水道が逆流したときみたい」「肥溜めのようだ」などと言われたりします。

膿栓は扁桃腺の炎症などで作られる

扁桃は外からの異物、細菌、ウイルスなどの侵入を防ぐリンパ組織ですが、その役割に関連して、次のような状況・原因で膿栓ができます。

◆ 口蓋扁桃には月のクレーターのようなでこぼこした陰窩(いんか)というくぼみがあり、炎症があると、そのくぼみにウィルス・細菌・白血球の死骸などがたまる。 これがカルシウムとその他ミネラルにより硬い物質になったものが膿栓と考えられている。

◆ 膿栓はほとんどの人にあるが、喉の形状や陰窩の深さなどで膿栓が出やすい人と出にくい人がいる。

◆ 疲れやストレスなどで抵抗力が弱まった時に、扁桃に炎症が起きる(急性扁桃炎)。扁桃炎を繰り返すと慢性化して(慢性扁桃炎)膿栓が溜まりやすくなる。

◆ 口呼吸になると、細菌や汚れが除去されず直接扁桃に付着するので膿栓ができやすい。また、口の中が乾きやすいことも一因とされている。

◆ 冬は空気が乾燥し、細菌の付着したチリやホコリが舞い上がりやすくなるため、膿栓ができやすい。

膿栓・扁桃炎による弊害

膿栓は口臭の原因になることはあるものの、それそのものに害はありません。

鼻糞みたいなものだからですね(笑)

しかし、自分で綿棒などで取り除こうとして傷をつけ、血が出ることもあるとか。

また、扁桃炎を繰り返して慢性扁桃炎になると、尿にタンパクや血が混じるIgA腎症などの腎疾患、手のひらや足の裏の皮がむけるなどの皮膚疾患、その他多岐にわたる二次疾患を引き起こすことがあるそうです。

手術で口蓋扁桃を取り除くこともあるそうですが、他にも扁桃組織があるため問題ないと言われています。

扁桃炎を予防し膿栓をできにくくするための対処法

これまでの膿栓ができる原因を見れば、どのようなことをすれば良いかおよそ見当がつきます。

ポイントは、ひどい炎症が起きないよう予防することです。

◆ 鼻呼吸すること。口呼吸を防ぐため、口閉じテープを使ったり、口輪筋(口を閉じる筋肉)を鍛えて口が無意識に開いたままにならないようにする。

◆ ウィルスを排出するために、うがいを心がける

◆ マスクや水分補給で口の乾燥を防ぐ

◆ 緑茶や紅茶などでうがいする。(カテキンが細菌の増殖を抑制する)

◆ 歯をしっかり磨いて食べカスを除去する。食べカスは菌の繁殖につながる。

◆ 口臭対策はガムを噛むのも手段の一つ。

◆ 殺菌作用のある蜂蜜をなめる。

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ウォーキングと瞑想は炎症レベルを下げる

扁桃腺炎になると血液検査で炎症レベルを示すCRPが高くなるようです。当然と言えば当然ですが。

唐突ですが、長寿の人は炎症レベルが低い事が分かっています。

また、日常生活での身体活動量の多い長寿地域の人々は、きわめて優れた微小循環を持っていることが分かっています。

この微小循環が、炎症の原因となる物質を回収していることが分かってきています。

つまり、日常生活での身体活動量の多さが、炎症レベルを下げていると考えられるのです。

微小循環

目に見えないレベルの毛細血管と、その周りの細胞とのあいだの物質のやりとり

そこで対策としてあげたいのは・・・30分間のノンストップ・ウォーキングです!

微小循環が良くなるだけでなく、リズミカルな単純運動は神経系を落ち着かせ、暴走気味の免疫反応を抑制し、炎症レベルを下げると思います。

余談かもしれませんが、同じ理由で花粉症の根本的な対策にもなります。

また、瞑想も炎症レベルを下げることが分かっています。

最初は3分間くらいから始めても良いです。

okinawanaturop.hateblo.jp

耳鼻咽喉科の医師によって対応方針に差があることも

膿栓は、うがいをすることで簡単に取れたり、咳やくしゃみ、あるいは何もしなくとも自然に出る場合も少なくないそうです。

そういうこともあり、調べていると、耳鼻咽喉科のお医者さんによって、対応方針が違ってくるような印象を受けました。

二つの異なる見解を紹介します。

◆ A病院の医師

咽喉をパッと見ただけでは(膿栓があるかどうか)分からない場合も多く、そういう場合は前口蓋弓という手前の襞をめくってみなければ分からないのです。

他の多くの耳鼻咽喉科ではこの膿栓で困っている患者さんに対して、膿栓は病気じゃないしそのままでいい、取る必要がないなどと言って何もしないようです。

それでは患者さんに失礼だと思います。

耳くそ、鼻くそは取るのになぜ咽喉くそは取ろうとしないのでしょうか?

◆ B病院の医師

自然に取れるの待つ方がベストです。

あまり、無理して除去することもお勧めできません。多くの場合はそのうち自然にはずれて出てきますし、扁桃腺に傷をつけることもありますので、尖ったものでつついたりはしないで下さい。 異物感が気になるようであれば、耳鼻咽喉科を受診して頂ければ、多くの場合は圧迫や吸引で除去できます。

膿栓を取る人は、さらに悪化させます。(免疫組織はデリケートで傷つきやすく過敏になる。また、取り除いても過敏がある限りいたちごっこである。)

おわりに

歯をしっかり磨いていて歯周病などもない、体調も万全でストレスもさほど受けていると思わない…だけど口が臭い…そういう時は、膿栓が原因の可能性があります。

ただし、鼻炎・副鼻腔炎、鼻水、胃液が口臭の原因となることもあるので一概に扁桃炎が原因とはいえませんが。

あまりの臭さに重大な病気でも潜んでいるのではないかと不安になるかもしれ無いが、そのものは無害で誰にでもできるもの、ということです。

私は、口臭が気になるようなら、上のA病院の医師の見解のように取り除いた方が良いし、その上で扁桃炎が多発しないような予防策を講じるのが良いのだと思っています。