自力で健康を目指す天邪鬼

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健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

こたつで寝ると喉が乾いて風邪をひく・・・迷信ではありません!

 冬はこたつに入ってのんびりテレビを見て、みかんやお菓子を食べたり、お父さんはお酒を飲んだりして過ごす方も多いと思います。そのうちに眠気が出てきて頭を垂れてうつらうつらと・・・

 子供のころは母に「寝床に行きなさい」と注意された記憶があります。母は、経験的にこたつで寝ると風邪を引きやすくなることを知っていたようです。

睡眠中は、かなりの量の水分が身体から出ていく!

 大人が1日に排出する水分は2~2.5リットルで、尿として排出されるのはおよそ半分です。それ以外は汗や息、皮膚からの蒸発により排出されます。冬場は汗をかいていなくても、空気の乾燥によりかなりの量の水分が体から蒸発します。

 人は気温の低い冬であっても、就寝中に一晩でコップ1杯以上の水分が気づかないうちに呼気や皮膚から出ていて、この不感蒸泄(ふかんじょうせつ)による水分の喪失は、体温が1度上がる毎に15%増え、さらに30度から1度上がるごとに15~20%増えると言われているそうです。

 こたつ内部の温度は、低めに設定しても40度ほどで、高く設定すると60度を超えることもあります。暖かいこたつに入ったまま寝てしまうと、上述のとおり呼気や皮膚から出て行く水分が激増します。さらに、身体が熱いと判断したら、汗をかいて体温を下げようとします。寝汗までかいて追い打ちをかけると、ただでさえ乾きやすい就寝中は、簡単に脱水状態に陥ってしまいます。

睡眠中は口の中が乾きやすい

 人間は眠っている時に自然と口の中が乾燥しやすい状況に陥っています。起きているときは常に唾液が出ており、体内の水分が少なくなって喉が乾いたら、意識的に水分をとろうとします。もちろん眠っている間も唾液は出ていますが、起きている時に比べるとかなり少ないです。

 また、眠っている間に口呼吸になっている人も少なからずいると思います。口呼吸は、乾燥した空気を直接のどに当てることになるので、さらに乾燥のリスクが高くなります。私は昔、慢性副鼻腔炎のために鼻がつまっていたので、常時口呼吸の状態になっていて、起床時には喉がカラカラになっていることもありました。

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風邪は眠っているときにひきやすい

 唾液の分泌が多い昼間は、鼻や喉の粘膜の防御力も強く、口に入ったウイルスは飲み込んで胃酸によって殺してしまうので増殖できません。しかし、睡眠中は乾いた粘膜にウイルスが貼りつきます。すると、ウィルスや病原菌などの異物を追い出す繊毛運動が弱くなり、ウイルスに感染しやすくなってしまいます。

 また、こたつで寝てしまうと、就寝時に体温を下げて身体を休めようとする自律神経の働きを妨げてしまうため、眠りの質が落ちます。その結果として免疫力が低下し、寝汗による寝冷えも加わって、風邪を引きやすくなります。

 睡眠の質と風邪の発祥については、先の記事でも紹介しましたが、アメリカで行われた面白い実験があり、風邪ウィルスを鼻粘膜に付けて、2週間で何人が発症するかを睡眠の時間・質の観点から調べたところ、中途覚醒が睡眠時間の2%以下と安定して眠れた人たちは7人に1人しか発症しなかったが、中途覚醒が8%以上の「よく眠れない人たち」は2人に1人が発症したそうです。2%以下の人たちに比べて、5.2倍も発症する危険率が高かったことが分かったそうです。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2629403/

足が冷えて眠れないときの対策

 寝る直前だけこたつに入って足を温めるようにしましょう。眠気を感じたら、すぐにこたつから出てお布団に入って寝てください。同じ理由で、電気毛布の使用も寝入りばなだけにすべきだし、ホットカーペットの上で寝るのは避けるべきです。

 また、湯たんぽをつかうのはコタツよりは安全でしょう。湯たんぽはコタツに比べれば暖める範囲が小さく、寝る前に布団に入れておけば冷えた足だけを暖めてくれるので、脱水症状になるリスクは小さいでしょう。私は湯たんぽで喉がカラカラになったことはありません。

 そして一番お勧めしたいのが、冷えた足を一時的にさらに冷やすことです。冷シャワーをふくらはぎのあたりまで2分ほどかけます。これにより交感神経が一時的に強く働き、血流をあげます。10分後には、足がぽかぽかしてきます。ぜひお試しください。

okinawanaturop.hateblo.jp

おわりに

 風邪についていろいろ述べましたが、それ以外にも「低温やけど」するとか、脱水状態で血液がどろどろになって血栓ができ、心筋梗塞脳梗塞のリスクが高まります。

 こたつで家族がどんなに幸せそうに寝ていようと、心を鬼にして、起こして寝室へ行かせましょう。また寝る前にコップ1杯の水を飲むなどして、十分に水分補給することを忘れずに!