自力で健康を目指す天邪鬼

自力で健康を目指す天邪鬼

健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

足の冷え対策は・・・足をさらに冷やす!?

ツイッターで冷え対策についての投稿を見ていると、

・足下の冷え防止に温泉ソックスや靴下の重ね履きがいい
・味噌汁で胃腸が温まる
・冷たいモノ、生モノを避ける
・薄着に注意して体を冷やさない
・腰にカイロを貼るとからだ全体がポカポカする
・寒い夜は電気毛布!
・サラダやヨーグルト、アイスを毎日食べない
・丈の短いスカートをはかない
・少しでも早く寝る

などなど、いろいろ方法がツイートされています。 個人的な感想としては、とても本質をついているとは思えないのです。体を甘やかす方法ばかりで、これだと内発的に体を温める作用が出てきません。本能的に寒さに対抗する力が発揮されれば、冷え性とはおさらばになります。冷えの原因は血流の滞りです。血流の滞りを解消するには、まずは動くこと、これが基本中の基本です。そして筋肉を鍛えることです。特にふくらはぎの筋肉を鍛えれば、足先の冷え対策として有効だと思います。鍛えるには運動が必要ですから、その過程においても血流がよくなります。ぜひ、通勤途中の信号待ちや踏切での電車通過待ちの時にでも、両かかとを上げ下げしてふくらはぎを鍛えましょう。

 厚着をしたらあまり動いていなくてもあったかいのでしょうけど、冷え体質はいつまでたっても改善されません。着膨れしているのは見た目も良くないですよ。

寝る前に足元を冷やす!?

 冷え対策として温めることが常識的なことなので、この記事のタイトルを見ると「アホちゃう?」って印象を持つのでしょうか(笑)。ずっと冷やすというわけではなく、一時的に冷やすのですけどね。

 足先が冷えていると、なかなか寝付けないものです。無意識レベル(脳幹)で血流が悪いと判断できていないから、血流を上げようとしません。そんな時は、足に1分間ほど冷水シャワーをかけてみることをお試しください。すると、脳幹が危機的状況だと判断し、血流を上げます。その後はポカポカしてきます! 寝つきが良くなります!

 この現象は、身体の反作用的な効果(自律神経の振り子の効果)なのです。

 また、私は試したことありませんが、氷水に足を短時間浸かるのも良いかもしれません。寝る前にコタツやヒーターであたためるのは血流が良くなるわけではないので、思いのほかすぐに冷えますよ。

自律神経は交感神経・副交感神経の振り子のようなもの

 自律神経は脳から器官に信号を送りコントロールします。もちろん器官の調整は無意識レベルで行われます。自律神経は交感神経・副交感神経で構成されています。交感神経は、主に活動しているとき、緊張しているとき、ストレスを感じているときに働きます。副交感神経は、主に休憩しているとき、眠っているとき、リラックスしているときに働きます。心血管系に着目すると、交感神経が働くと血管が収縮して血圧が上がり、心拍も上がります。副交感神経が働くと血管は拡張して血圧が下がり、心拍も下がります。

 つまり働きが逆なのです。自律神経は振り子に見立てることができます。振り子の片側が交感神経、もう片側が副交感神経というようにです。振れている方が働いていて、振れ幅が大きければ強く働いていると考えます。また、一方に振れればその次はもう一方に振れます。

自律神経の振り子

自律神経の振り子

 さて、この自律神経の振り子は、その触れ方としていくつかのパターンが考えられます。左右均等に大きく振れている場合・振れ幅が小さい場合・片側の触れ方が小さくいびつな振れ方の場合です。例えば副交感神経の働きが弱いということは、振り子の片側の触れ方が小さいです。この副交感神経側への振れ方に制限がかかっている状況を改善するためによく持ち出される考え方が「体を温めてリラックスする」ということです。しかし、そう簡単にはことは運びませんよ。それよりも副交感神経を高めたければ、一度グイっと交感神経を高めてください。これで、副交感神経もしっかり働いて、自律神経の振り子はきれいな振れ方となります。その具体的な手法の一例が、寝る前に足元を冷やすことだったのです。

温冷浴で振り子の振れ幅を大きくする!

 自律神経の振り子の振れ幅を大きくすれば、寒暖の変化にしっかり対応できるようになります。そうするのに有効な方法が温冷浴です。

 温冷浴についてはこれまでの記事で何度か紹介してきましたが、探すのも面倒だと思うので、こちらでも書いておきます。見飽きた人は飛ばしてください(笑)。

 温冷浴とは、温浴と冷浴を交互に行う入浴法です。2つのバスタブを用意して、一方に42℃の温水を満たし、もう一方に15℃の冷水を満たします。冷→温→冷→温→冷→温→冷→温→冷と1分ごと交互に入り、約10分間繰り返します。冷水に入ると交感神経が働き、温水に入ると副交感神経が働きます。自律神経が目まぐるしく働き、寒暖の変化にしっかり対応できるようになります。バランスを崩した自律神経の振り子が、一度大きく振れることで、バランスを取り戻すようになるのです。

 温冷浴 をやってみたいけど、バスタブがない・・・ という人は、ホームセンターで人が入るくらいの大きなポリタンク購入して使ってください。 1分間の砂時計と、温度計も購入すること。 全部合わせても5,000円くらいですみます。

 水質を気にするなら、木酢液やビタミンC(アスコルビン酸)を入れれば塩素を除去してくれます。木酢液については、「YOSHIDA-MFC WEB SHOP 」というサイトに詳しく説明されています。たったの数的で塩素除去される様子が載っています。若干香りがあるのでちょっとした森林浴気分も味わえます。さらに私自身が効果を実感したのは、お湯のぬめりが出ないことです。通常2〜3日もお湯を入れ替えなければぬめりが出ますが、木酢液を入れると一週間でも大丈夫です。雑菌の繁殖がしっかりと押さえられています。ただし毛などが浴槽の底に溜まって見た目に悪いので、早めに交換しても全然かまいません。ビタミンCについては、浴槽に耳かき1杯の量で十分です。多すぎるとかゆみが出ることがあるようです。木酢液もビタミンCもわずかな量で大きな効果があるので、お勧めします。(一番は木酢液!)

おわりに

 私は子供の頃から冷え体質でした。冬は足が冷たくて、寝るのに布団に入ってから1時間くらいかかっていました。「湯たんぽを使えばいいじゃん」って言われそうですが、そもそも沖縄では湯たんぽを使う文化はないので、その発想すら出てきません。横になりながら足先をこすって温まってくるのを待っていました。

 今では温冷浴の実践のおかげで、足元の冷えとは完全にサヨナラしています。ここ沖縄では、最近やっと気温が20℃を割ってきました。いつも冷浴は冷水シャワーで代用しているのですが、これまでは冷水といえどもさほど冷たくなく、たいした効果はなかったかもしれません。今はいい感じで水が冷たくなってきてチャンス到来って感じです。