自力で健康を目指す天邪鬼

自力で健康を目指す天邪鬼

健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

がん細胞は糖質が大好き・・・って、そうかもしれませんが

最初に述べておきますが、この記事は前回の記事と同じ結論に導こうとしています(笑)。 もう2年も前になりますが、「がん細胞はブドウ糖ではなくアミノ酸で増殖していくことが判明」というニュースが出て、食事療法に疑問をもつ私の考えがますます正しいのではないかと思ったわけです。まずはその記事内容に触れておきます。

(中略)

 複数のがん細胞と通常の体細胞を培養皿に入れ、細胞分裂で誕生する新しい細胞が何で構成されているのかを観察しました。実験では細胞に異なる栄養素を与え、オリジナルの細胞の変化を観察。細胞分裂の前後で細胞の重さを量ったところ、ブドウ糖・グルタミン・グルタミン以外のアミノ酸を栄養として与えた細胞が体積を大きく増やしていることが分かりました。しかし、ブドウ糖とグルタミンは細胞の大部分の構成にほとんど効果がなかったことが明らかになっており、ブドウ糖で10~15%、グルタミンは10%の効果しかなかった模様。それに対してアミノ酸が供給する炭素や窒素は、新しい細胞の20~40%を構築するのに貢献していました。

 実験レベルでの確認なので、実際の体内環境でまったく同じことが起こるかどうかは分かりません。しかし、少なくとも、糖質以外を活動・分裂するためのエネルギー源としている可能性があるということです。

 他でも、糖質以外をエネルギー源にしている話を聞いたことがあります。酸素の少ない環境の下、糖質消費を抑えてフマル酸呼吸というものでエネルギー産生することもあるようです。

 これらの事実があるのを見ると、がん対策として糖質制限がほんとうに有効かどうかは分からないということです。がん細胞はしたたかで、いろんな状況に応じていろんな方法で活動・分裂するためのエネルギーを作り出していると考えられます。もしかしたら、現在の科学で分かっていない方法でも、エネルギーを作り出しているかもしれません。何か一つの栄養素を悪者にしてそれの対策をしたとしても、如何なものかと思うわけです。

 細胞レベルの話とは関係ありませんが、人間だって飢餓になれば、生存するために普段食べないようなものでも食べると思います。私の住む沖縄では100年ほど前にソテツ地獄といって、食糧難のため普段は食べないソテツという毒のある植物をまともに毒抜きせずに食べて死んでしまうということがありました。ゴルゴ13は手負いで砂漠に放り出されても、ほとんど食料が無い中、たまに見つけた小動物をしとめて食べて生きながらえるって作品もありました。環境的に生存困難な状況に追い詰められれば、生きるために普段やらないことでもやります。こんなことを思い出したのです。

 がん細胞の周辺環境を良好にしてやれば、がん細胞である必要がなくなり、元の正常細胞に戻るのではないでしょうか。ミナ・ビッセル博士やブルース・リプトン博士の実験では、すでにその事が確かめられています。また、鳥取大学などの研究により、少なくとも、がん細胞は正常細胞に戻りうることが示されています。細胞が生きていきやすい環境にしてあげること、これが自然治癒力の向上・秩序ある生体に導くのだと思います。

 3つの体液(血液・リンパ液・脳脊髄液)の循環(微小循環)を良くして、老廃物の回収をスムーズにすることで、細胞周辺をきれいな状態に保つことを考えましょう。センテナリアンの調査で、活動量の多い人の微小循環は良好に保たれていることが分かっています。がん患者こそ運動は必要だと思っています。