自力で健康を目指す天邪鬼

自力で健康を目指す天邪鬼

健康な生体は秩序化されたもの。部分でなく全体をみるホリスティックな視点で健康情報をお届けします。

自然治癒力を高める方法1・・・頭蓋調整

自力で治すということではありませんが、
自然治癒力を復活させるために有効と思われる療法として
ラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)を紹介させていただきます。

この療法を一言でいうと、頭蓋骨・仙骨とそれを包んでいる膜の動きを整えることで脳脊髄液の循環を良くして、自然治癒力を回復させる療法ということになります。
 
この療法はソフトタッチで行われます。
施述を受けていると、気持ち良くて眠くなることもあります。
ボキボキ動かす整体をイメージしないでくださいね。
 
もし興味ありましたら、お近くでこの療法を施述できる方を探してみて、
問い合わせてみては如何でしょうか。

脳脊髄液と頭蓋骨

人間の体液についてですが、大きく3つあります。

 ①血液
 ②リンパ液
 ③脳脊髄液

①②はよく聞きますが、③はあまり聞きませんね。
 
頭蓋骨や背骨の中には膜があります。
その膜に包まれるように、脳や脊髄があります。
脳は神経の塊であり、脊髄とは神経の幹です。 いわゆる中枢神経ですね。
その膜と、脳・脊髄の間を満たす形で循環しているものが、③脳脊髄液です。
 
脳脊髄液は他の体液に比べると目立たない存在ですが、中枢神経に栄養分を運んだり老廃物を取り去るなどして、重要な新陳代謝を果たしています。
そのため、この循環が滞ると、神経の伝達機能に悪い影響を及ぼすと考えられています。
 
脳脊髄液は、量的には150CC~200CC程度、循環しながらリフレッシュされ続け、
1日で約3回入れ代わります。
血液が1日に約10%入れ代わることと比べると、
脳脊髄液の新陳代謝の早さがわかります。
脳脊髄液はそれだけリフレッシュを必要としているということです。
 
頭蓋骨や仙骨は、脳脊髄液の循環リズムと連動して
一定のリズムで動いています。
仙骨は、背骨のお尻側の先端にある大きな骨です。
腰からお尻にかけて盛り上がっているあたりの骨です。
 
頭の骨というのはヘルメットのような一枚岩ではございません。
23枚の骨が縫い合わされてできています。
その縫い目が「遊び」となって動くのです。

頭蓋仙骨療法

頭蓋骨の動きは、蝶形骨と後頭骨がトリガーとなって動き、
それにつられる形で前頭骨や側頭骨といった他の頭蓋骨が動きます。
その結果、頭蓋は全体として、膨張 ⇒ 収縮 ⇒ 膨張 ⇒ 収縮という
サイクルを繰り返しています。
 
頭を手で触れていても容易に感じ取れないほど、微細な動きです。
これらのリズムは、呼吸や心拍とは独立しています。
両手で頭の横を非常に軽くタッチしていると、だいたい6秒ごとに
膨らんだり萎んだりすることに気づきます。
 
 
さて、頭蓋骨が硬直しているとどうなるか。
 
縫合の可動性が低くなり動かなくなると
膨張すべき容量がその下にある膜にしわ寄せされ
膜に緊張やねじれや歪みが生じてきます。
 
仙骨も同様に動きが悪くなることがあります。
そうすると、脳脊髄液の循環不良につながっていきます。
中枢神経の新陳対処がスムーズに行われなくなり、神経障害になる・・・
 
そこで、施術家は頭や仙骨に軽くタッチして動きが良くなるよう
上手に調整していきます。強い力を加えることはありません。
縫合部分に指先をあてたり、手のひらで頭皮や腰の部分をずらすようなことをします。
施術化によっては氣を入れて調整することもあります。

ですから、脳に障害を抱えているかたでなければ
安心して受けられると思います。

一人でできるプチ療法

硬式のテニスボール2個を準備します。
300円ほどで買えると思います。
くつ下(片方のみ)に入れ、動かないよう端を縛ります。
靴下でなくても動かないようにすれば何でもOKです。

仰向けになってこのボールを耳の真後ろか、そこより少し上、
後頭部の一番盛り上がったところに当たるように位置を調整して、
枕のように使います。
ただしそのままだとずれるので、
厚さ2cmほどの本を首の下に敷いて動かないよう支えます。

頭蓋仙骨療法では、このボールの代わりに指先を差し込むのですが
それと同じ効果を狙ったものです。

注意点としては、長くやりすぎると痛くなることです。
最初は102分ほどで試して様子をみましょう。
慣れれば10分でも良いと思います。
私の場合は、気持ち良くて寝てしまい、気付いて起きると、
痛くなっていることがありました。


もう一つ、モゾモゾ体操というものがあります。

片平悦子さんという方が考案した整体法で、
脳脊髄液の流れを良くすることが目的です。

横臥して、両足を小さく交互に伸び縮みさせるイメージです。
仙骨というお尻の骨を動かすことで、仙骨→背骨→頭のルートで頭の硬直をとります。
副次効果として、骨盤のゆがみも解消するとのこと。

わずか5分程度、実践するだけです。
睡眠中には脳脊髄液の流れは基本的に良くなることが分かっていますが、
就寝前にモゾモゾ体操をやると、より良いでしょう。

詳細はamazonにて本をお求めください。
「モゾモゾ体操 」で検索すれば、すぐに見つかります。

おわりに

リンパマッサージはよく知られていますが、
リンパ液と脳脊髄液はそれぞれ流通ルートが異なるので
リンパの流れを良くしても脳脊髄液の流れが良くなるわけではありません。

また、頭蓋仙骨療法ではありませんが、
近年、睡眠が脳脊髄液の循環をスムーズにすることが分かってきました。

脳の細胞は、神経細胞グリア細胞で構成されていますが、
睡眠するとグリア細胞が縮んで隙間ができ、
脳脊髄液の通り道が広がることで神経細胞から出る老廃物の回収が
スムーズになる
とのことです。

極端な睡眠不足は、自然治癒力を低下させるという常識が
科学的に証明されつつあります。

脳・脊髄液がスムーズに流れると
  → 脳・脊髄神経の新陳代謝がスムーズに行われる
  → 脳・脊髄神経の働きが良くなる
  → 自然治癒力が発揮されやすくなる
というルートを辿ることを覚えておきましょう。

脳脊髄液の役割と循環の重要性が、少しでもご理解いただけたなら幸いです。